思い出のシエナ風 ペンネかニョッキで
いまから20年以上前、ひとりっきりで勝手に「イタリアでホンモノの普段の家庭の味を習うんだ」と決心、単身留学しました。
一応日本でもイタリア語は習っていたものの、ちゃんと話せる状態ではないので、まずは語学学校に通いながらチョコチョコと料理をならうことにしました。
で、語学学校のあるトスカーナ州の街シエナに住むことに。シエナは美しい教会(ドゥオーモ)、広場(パリオという競馬で有名)で知られる観光地でもあります。
お金も倹約しなくちゃ、と安い南回りのフライトでローマに着き、電車を乗り継いでシエナにたどり着いた最初の夕食で食べたのが「ペンネセネーゼ」セネーゼとはシエナ風という意味の形容詞です。
イタリアン=トマト風味、の日本人的な思い込みを見事に裏切ったクリームソースはしっかり味の肉と香ばしい胡桃が印象的な一皿でした。一人旅の疲れと空腹、そして「本当に外国で暮らせるかしら」の不安もいっぱいでしたが、本当に美味しかった!
そんな思い出のソースは、その後生ソーセージをほぐしたものを使うのだと覚え、その後ボローニャの下宿でも友人たちにも披露して好評だったものです。
最近イタリア~ンなわたしの料理教室でもこの、簡単懐かしいシエナ風をご紹介しています。
ソースは生ソーセージで味付けは終わっちゃうという簡単至極ですので、ペンネを和えるのならとっても簡単なスピード料理。この写真は手作りのポテトニョッキを使っています。
これまた、ジャガイモの甘みとシコシコのニョッキがソースと相性良し。
わたしのイタリアンはいわゆるコックさんのレストラン料理でなく、マンマから習った味がほとんどなんですが、いくつかはレストランのシェフに教えてもらったモノもあって、これはそのひとつ。
チョッピリ心細かったイタリア留学初日を思い出してくれる、わたしにとっては記念すべき料理でもあります。料理教室で、わたしの懐かしい味を試してみませんか?
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